【声明】「原子力規制委員会」の同意人事に関する緊急アピール

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     ◆「原子力規制委員会」の同意人事に関する緊急アピール◆
                    細野豪志大臣!
        原子力規制委員会に「原子力ムラ」の人選!?
               適任者に今すぐ差し替えを!
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>PDFはこちら 120721_緊急声明
2012年7月21日
 eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
エネシフ・ジャパン有志 

7月20日、「原子力規制委員会」の5人(田中俊一氏、更田豊志氏、大島賢三氏、中村
佳代子氏、島崎邦彦氏)の国会同意人事案が複数のメディアに報じられました。
新しい原子力規制委員会の設置は、「1.利用と規制の分離、2.原子力安全規制に
対する国民の信頼を得る」の二つを大きな目的とし、その人選は「1.中立公正性 
2.透明性の確保を徹底する」としていました。
ところが、政府は、原子力学会会長や原子力委員長代理(2007.1.1~2009.12.31)と
して、原子力事業者と一緒になって原発を推進してきた田中俊一氏を、規制委員会の
委員長に横滑りさせるという提案をしました。これは、「原子力ムラ」の中心人物に
「規制」を担当させるもので、「利用と規制の一体化」に他ならず、「中立公正」で
もなく、国会での法案審議の趣旨を踏みにじり、原子力安全行政に対して更なる国民
の不信をもたらす人事案です。
 同意人事案提案の責任は、細野豪志原発担当大臣にあります。細野大臣、「原子力
ムラとの決別宣言」を全うするよう、直ちにこの案を撤回し、適切な人事案を国会に
提示してください。
     ≪問題だらけの政府人事案:直ちに差し替えを!≫

◆委員長候補
【×】田中俊一(たなか しゅんいち)氏:【原子力ムラ・不適格】

(独)日本原子力研究開発機構(旧動燃)副理事長、原子力委員長代理、原子力学会会
長を歴任。
※長年にわたって「原子力ムラ」の中心で活動。
※「原子力委員会」は国の原子力推進機関。原子力事業者と秘密会合を重ねて原子力
を推進するなど公正さに疑惑がもたれており、原子力委員長代理としての田中氏の行
動に対する第三者による検証が必要。
 ※副理事長であった「(独)日本原子力研究開発機構」は、政府の原発推進、核燃料
サイクル推進の研究開発機関。高速増殖炉「もんじゅ」の設置主体であり、「原子力
ムラ」の関係者ではなく、「当事者」。
※さらに、田中氏は、原子力損害賠償紛争審査会において、「政府が避難の基準とし
ている20mSVをゆるがすべきではない」として、最後まで自主的避難者に対しての賠
償方針を策定しようとする能見会長に抵抗。審査会で決まったあとも、抗議文を読み
上げ、福島の被害住民や、傍聴者の怒りをかった。住民の帰還基準を20mSVと主張
し、原研機構に除染利権をもたらし、自身は福島県除染アドバイザーに。
◆委員候補
【×】更田豊志(ふけた とよし)氏:【原子力ムラ・不適格】
 日本原子力研究開発機構の安全研究センター副センター長。福島第一原発事故後も
原発推進を前提とした「原発の継続的改善」を主張。日本原子力研究開発機構は、
「原子力ムラ」の当事者。安全規制対象の「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開
発機構の現役幹部を登用することは、実質的に欠格要件に該当する人事。

【×】中村佳代子(なかむら かよこ)氏:【規制対象事業者・不適格】
 中村氏の所属する(公益社団法人)日本アイソトープ協会は医療用放射性廃棄物処
理工場を運営し、最終処分場の設置を計画中。原子力安全規制の対象になる事業所の
代表を規制委員に加えることは、実質的に欠格要件に該当する人事。

【×】大島賢三(おおしま けんぞう)氏:【外務官僚・不適格】
国連大使、JICA副理事長・顧問を歴任した外務官僚。
※政府から独立して政策を決定し、執行する原子力規制委員会に、そもそも官僚OBは
不適格。原子力規制委員会の業務である原発再稼働の基準、原発40年廃炉、放射線モ
ニタリングなどの専門家でもない官僚OBは、政府の意向を原子力委員会に反映させる
ためのお目付け役にすぎない。

△島崎氏についても、十分慎重な調査が必要と思われる。

連絡先:eシフト事務局
国際環境NGO FOE Japan 03-6907-7217 / 090-6142-1807