【エネルギー基本計画】その二

Q3. エネルギ―基本計画で示された2030年までの目標とは?

A. 2030年までの目標として次の5つのことが掲げられています。

1.資源小国である我が国の実情を踏まえつつ、エネルギー安全保障を抜本的に強化するため、エネルギー自給率(現状18%)及び化石燃料の自主開発比率(現状約26%)それぞれ倍増させる。これらにより、自主エネルギー比率を約70%(現状約38%)とする。


2.電源構成に占めるゼロ・エミッション電源(原子力及び再生可能エネルギー由来)の比率を約70%(2020 年には約50%以上)とする。(現状34%)


3.「暮らし」(家庭部門)のエネルギー消費から発生するCO2 を半減させる。


4.産業部門では、世界最高のエネルギー利用効率の維持・強化を図る。


5.我が国に優位性があり、かつ、今後も市場拡大が見込まれるエネルギー関連の製品・システムの国際市場において、我が国企業群が最高水準のシェアを維持・獲得する。

「自主エネルギー比率」という不思議な指標は、2010年の計画ではじめて示された概念ですが、平たく言うと、原発と火力発電の導入目標に置き換えることができます。 「エネルギー自給率」とは、一次エネルギー国内供給のうち、国産エネルギー(再生可能エネルギー等)及び準国産エネルギー(原子力)の供給の占める割合のことを指しています。

特に、「準国産エネルギー」と定義された原子力は、「供給安定性、環境適合性、経済効率性の3E を同時に満たす中長期的な基幹エネルギー」の位置づけられている上、具体的数値目標として、原発を2020 年までに9基新増設し、設備利用率約85%を目指す(現状:54 基稼働、設備利用率:(2008 年度)約60%、(1998年度)約84%)、また、2030 年までに少なくとも14 基以上新増設と設備利用率約90%を目指すという高い目標が掲げられています。つまり「エネルギー自給率」の主たるエネルギーと位置付けているのです。

また「化石燃料の自主開発比率」というのも非常に難解な言葉ですが、その説明として「化石燃料(輸入量及び国内生産量。現状は一次エネルギー国内供給の約8割を占める)のうち、我が国企業が参画する国内外の権益(自主開発権益)からの引取量の占める割合のことをいう」とされていますが、海外での石油や天然ガスなどの資源開発に日本企業が直接関わる比率を高めていくということのようで、化石燃料依存型であることに変わりはありません。


Q4. どうやって計画は決められているの?

A. 計画は経済産業省の総合資源エネルギー調査会総合部会基本計画委員会というところで案がつくられ、閣議決定によって成立します。2010年の改定にあたっての委員を次に明記しておきます 。

<総合資源エネルギー調査会総合部会基本計画委員会>2010年2月3日
●委員長
黒田 昌裕(東北公益文科大学 学長)
●委員
安部 順一(読売新聞 東京本社 編集委員)
岡本 行夫(外交評論家・岡本アソシエイツ代表)
柏木 孝夫(国立大学法人東京工業大学 統合研究院 教授)
小宮山 宏(株式会社三菱総合研究所 理事長)
崎田 裕子(ジャーナリスト・環境カウンセラー)
嶋津 八生(日本放送協会 解説委員)
白石 隆(総合科学技術会議 議員)
種岡 成一(日本労働組合総連合会 副会長)
鶴田 俊正(専修大学 名誉教授)
寺島 実郎(財団法人日本総合研究所 会長)
内藤 正久(財団法人日本エネルギー経済研究所 理事長)
中上 英俊(株式会社住環境計画研究所 所長)
橋本 昌(全国知事会 エネルギー・環境問題特別委員会 委員長)
松橋 隆治(国立大学法人東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授)
松村 敏弘(国立大学法人東京大学社会科学研究所 教授)
三村 光代(社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会最高顧問)
山地 憲治(財団法人地球環境産業技術研究機構 理事・研究所長)

このように計画を策定する委員会は、“専門家”や“消費者団体”のメンバーで構成され、環境NGOのメンバーなどは入っていませんし、原子力を推進してきた経済産業省のもとで計画がつくられていることも問題であると指摘されています。

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