【エネルギー基本計画】その一

「エネルギ―基本計画」とは・・・

Q1. エネルギー基本計画って何?

A.「エネルギー基本計画」とは、「エネルギー政策基本法」という法律に基づいて作られる、将来のエネルギー供給と需要に関する計画です。基本法に掲げられた、①安定供給の確保、②環境への適合、③市場原理の活用という3方針に則ってエネルギー需給全体に関する施策の基本的な方向が定められます。2002年に法律が制定され、2003年に最初の基本計画が策定されました。少なくとも3年おきに見直しをすることとされ、直近では2010年6月に改定(2度目の改定)が行われています。

Q2. どんな計画なの?

A. 計画は、「第1章.基本的視点」「第2章.2030 年に目指すべき姿と政策の方向性」「第3章.目標実現のための取組」の全3章66ページで構成されています。原子力発電を基幹電源として位置付け、原発の積極的推進に加え、使用済燃料の再処理・貯蔵、プルサーマルの推進、高速増殖炉サイクルの技術開発など国と事業者が協力することが細かく記載されています。このほか、化石燃料による火力発電もまた電力供給安定化のために必要不可欠なものとされ、今後も高効率化を図って開発推進していくことが明示されています。
一方、再生可能エネルギーについては、2003年の計画では主力電源とは位置付けられず「補完的エネルギー」と表現されていましたが、2010年の改定で「補完的」との文言は消え、若干重みづけされました。2020年までに一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を10%とする目標が示され、「固定価格買取制度」の構築などが具体的な取り組みとして記載されています。
また、2010年の計画では、エネルギーの需要構造についても細かく記載されていますが、産業部門、家庭部門、業務部門、運輸部門など部門ごとに「省エネ技術」を推進することを中心として羅列されています。

計画の全体構成としては、原子力発電、高効率火力発電、省エネ技術を積極的に推進し、これらを国際的にも積極的に拡大しつつ、経済成長を図ろうというのが読み取れ、日本のエネルギー政策の基礎になっているということです。

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