【私たちが望む】大飯原発再稼働に対する首相の声明 

「プルトニウムなんていらないよ!東京」の高木章次さんが、6月3日、福井県庁前抗議行動にて、読み上げた要望書です。
「【私たちが望む】大飯原発再稼働に対する首相の声明」ぜひ読んでみてください!

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福井県知事 西川 一誠 様
総理大臣 野田 佳彦 様

要望書 

大飯原発の再稼働について野田首相はなかなか決断がつかないようです。下記に首相声明の案を急遽作成しました。検討して下さい。

【私たちが望む】大飯原発再稼働に対する首相の声明    
                               2012年6月3日
                           
 関西圏のみなさん、そして全国のみなさん、福井県のおおい町にある関西電力の大飯原発3号機、4号機の再稼働問題に関しまして、私の結論が出ましたので発表させていただきます。
 まず結論から申し上げます。大飯原発の再稼働なしでこの夏を乗り切るという判断を致しました。つきましては2010年のピーク時の需要に対して約15 パーセント、昨年に対しては約5パーセントの節電をお願い致します。そうすれば「計画停電」の必要はありません。
 再稼働できない、すべきでない理由はいろいろあります。それを簡単ですが、ご説明させていただきます。

 まず第一は、原発施設の地震に対する当面の対策がまだ終っていないことです。堤防のかさ上げや免震棟の設置、斜面崩落対策など、数多くの先延ばしは福島原発事故の教訓を反映したとは言えません。
第二は、福島原発事故で何が起きたのか検証が途中である点です。特に地震による配管損傷の実態の解明ができていないことです。耐震対策に欠陥がある可能性を否定できないのです。
また大変重要な国会事故調査委員会の調査はまだ終了していません。
第三は、大事故が起きた場合の、住民の方々の避難計画が不十分なことです。
第四は、大飯原発近くの活断層の3連動についての評価は始まったばかりであり、原発施設に与える影響評価もこれからです。特に原発のブレーキである制御棒が基準値2.2秒内に確実に入るのかは大きな問題です。信頼は失墜していますが、保安院による評価も始まったばかりで少なくとも数ヶ月はかかりますし、新たな規制機関が出来ればそこで検討することになります。
第五は、施設内を走る破砕帯は活断層ではないかということも含めて、破砕帯の調査と評価が不十分なことです。
第六は、放水口がある日本海側に面する海岸は扇型の入り江のため津波が集中します。そのため斜面を遡上し30mを越えて施設内に流入するという可能性が評価されていないことです。
他にもまだありますが省略させていただきます。

 そして最後に極めて重要なことです。1点目は順調に再稼働できるのかということです。また順調に再稼働が始められたとしても夏の期間に自動停止する、または手動停止しなければならないような、地震以外の原因でのトラブルが発生しないのかという点です。無いとは誰ひとり言えないのです。原発の場合、トラブルの原因調査から復帰に数ヶ月かかることもあります。手動停止しなければならない状態なのに、電力需要のために運転を止めない、ということは許されません。
 つまり、15パーセントの節電対策を取らない状態で、大飯原発の2基が同時でないとしても停止する場合の電力供給に対する影響、リスクを考えなければなりません。そして停止してから、あわてて節電対策や計画をつくり実施することは産業界にとって極めて困難です。その場合は「計画停電」さえ間に合わない可能性が出てきます。
 本来は原発がトラブルで全機停止しても、安全が十分確認できるまでは、他の発電設備で需要をまかなえるように用意することは、電力会社としても国としても当然の義務でありました。しかしこの一年間、関西電力について怠っていました。
 2点目は再稼働すると決めても準備のために時間がかかるため、7月内に可能なのは1基だけで、もう1基は8月に入ってしまうのです。ですから、節電対策は再稼働の如何にかかわらず実施が必要になりました。
 つまり、多くの安全対策の先延ばしをしてまで再稼働を急ぐ理由は無くなったということです。
 
 何よりも優先しなければならないのは国民の命と健康を守ることであり、そのために私は選ばれたと理解しています。福島原発事故により避難生活を余儀なくされている多くの方々、今日も福島県など放射能汚染地帯で暮らされている方々の悲痛な声、原発さえなければと書かれて自殺された方のことなどがどうしても脳裏を離れません。そして福島原発事故はいまだに収束しているとは言えないという国民のみなさまの指摘を、的確なこととして認識すべきと反省しています。

 以上が簡単ですが、再稼働できない、すべきでない理由です。
大飯町そして周辺自治体、福井県のみなさまの原発長期停止による雇用を始めとした経済的な問題についてきちんと把握、理解し、迅速かつ丁寧に対応させていただく所存です。電気使用量1000kwあたり375円の「電源開発促進税」を頂いていて原子力の研究や電源立地のためには毎年3千億円を超える金額がありますが、ここから回せば当面は足りるのではないかと考えています。加えて関西電力管内の企業や市民の方は、経済的な面からも助け合いの気持を形にしていただきたいと思います。

 2010年も昨年2011年も大阪のピーク時の最高気温は35℃でした。昨年には節電のお願いにより関電管内で約300万kw需要を下げることができました(2010年の3095万kwから2784万kwへ)。他電力からの融通拡大、夜間の火力により揚水発電の実施により昨年並の供給力をめざしたいと思います。

 私は関西圏に住む方々の節電・省エネに取り組むお気持ち、ご覚悟を思い、心から感謝と謝罪の気持でいっぱいです。
 
 夏の電力需要の3割はクーラーの使用であり、ピークは昼の4時間ほどです。
 安心して子どもを生み育てられる日本のために、あらためて国民のみなさまのご協力をお願いする次第です。ありがとうございました。

以上

プルトニウムなんていらないよ!東京 
東京都新宿区神楽坂2-19  銀鈴会館405   共同事務所AIR内
                                    TEL・FAX   03-5225-7213
                     高木 章次

【アクション】大飯原発3・4号機の再稼働強行にNO!
http://e-shift.org/?p=1971