【参考】6月5日衆議院環境委員会における新原子力規制組織法案審議の論点まとめ

6月5日に開催された衆院環境委員会における原子力規制組織設置法案の
審議結果をまとめましたので、お知らせします。ご活用いただければ幸いです。
現在(6月8日)、衆院環境委員会で、2回目の審議が進行しています。
衆議院TVにて放映中です。会議終了後は録画でも見ることが出来ます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
                             eシフト規制庁チーム
*********************以下報告**********************
6月5日衆議院環境委員会における新原子力規制組織法案審議の論点まとめ

                             eシフト規制庁チーム

1.規制庁法案審議と大飯再稼働、他の原発再稼動

 質問に立つ議員のもとへ、市民からの意見が数多くのファックスで送られた。
この結果、多くの質問者が再稼働問題を質問で取り上げた。
 規制庁法案を議論している最中に大飯原発再稼働を4閣僚で決定することは
国会軽視である。
質疑の中で自民党・公明党の法案提案議員も、再稼働の是非は新規制組織・
新安全基準での審査の後に行うべきであることを認めた。
この結果、新党大地・真民主の松木けんこう議員のまとめでは、
自民・公明・共産・社民・大地・みんなの各党が、大飯原発の再稼働は、
拙速に行うべきではないことで一致した。この状況で政府が大飯原発再稼働を
強行すれば、民主党だけが悪者になることが指摘された。

 現段階での大飯原発の再稼働を進めているのは、野田政権と一部の民主党
議員だけである。野田政権が大飯原発再稼働を強行すれば、多くの国会議員、
70%以上の国民の意見(世論調査)を踏みにじることになるだろう。

2.重要法案なので、十分な審議時間と修正協議をすべき

 本法案は重要法案であり、時間を掛けて審議すべきである。
このことは、自民党田中和徳議員の発言に端的にまとめられている。
・ 本法案は、日本の原子力規制の仕組みを根本から大転換するものであり、
  十分な時間を掛けて審議すべきである。
・ 今の国会状況を見ると、会期の延長が予想される。
・ 時間を掛けて審議すれば、6月中に出る国会事故調査委員会の最終報告
  も十分に織り込める。
・ 参考人招致についても、一人の参考人に1日づつ時間を掛けて行うべきである。
・ 国民の原子力に対する目は極めて厳しくなっており、徹底的に議論を尽くしても、
  国民、とりわけ原発立地自治体の地元の皆さんの不安は解消されないかもし
  れない、という、重要な審議である。

3.独立性・外局規制庁か3条規制委員会か

 民主・自民・公明3党の修正協議の中で、より独立性の高い3条委員会で合意
との報道がなされており、決着済みの模様

4.原子力神話と原子力ムラの解体

 民主党柿沼正明議員への答弁の中で、細野大臣は、
① 原発安全神話の完全払拭、② 原子力ムラを徹底的になきものにする、
の2点を明言した。

5.規制委員・安全調査委員・長官の経歴制限

 原発安全神話の払拭と原子力ムラの解体を実現するためには、
原子力規制委員会の5人の委員やその下に設置される各種専門委員会の委員から、
原子力業界関係者などの利害関係者はもとより、これまでの原発安全神話の元で
原子力政策を形作ってきた利益相反の専門家を排除する欠格事項を明確に法律に
示す必要がある。
 答弁の中で、細野大臣も国会答弁の中で欠格事項の設定を明言したからには、
明確な経歴制限を法律に明文化すべきである。

6.40年廃炉ルールおよびバックフィット制度

 政府案には、原子力の規制を具体的に強化するためのバックフィット制度や
40年廃炉ルールが明記されているが、自公案には記述がない。
自公案提案者の答弁では、自公案は組織形態についてのみ記載した法案で、
規制の中身については記述していないとのこと。自公案提案者はバックフィットや
40年廃炉ルールの是非について、肯定も否定もしていない。
 バックフィット制度は、既存の原子炉の安全性を確保するためには必要不可欠
なものであり、法案に明記するよう働きかける必要がある。
 40年廃炉ルールについて、なぜ40年かの説明は十分ではない。
初期の多くの原子炉の設計寿命は30年であったはずで、圧力容器金属の
試験片も30年分しか設置されていない。30年を越えた圧力容器の金属の
健全性(脆性遷移温度)が確認できない以上、30年で廃炉にすべきである。
 また、1回限り20年の運転延長規定については、老朽化した原子炉本体及び
付属設備に検査漏れがあった場合に安全性を確保できない恐れが強いため、
延長は認めるべきではない。
 福島原発事故の収束の方策も無く、原発事故被災者の救済が満足に行われて
いない現状を考えても、万が一の事態は、もはや許されない。

7.人材確保とノーリターン・ルール、再就職制限

 政府案では、主要ポストのみがノーリターン・ルールの対象とされているが、
自公案では、全職員が対象となる。
 細野大臣のノーリターン・ルールを全員に適用すると有能な職員の移籍が
確保できない、と言う説明には疑問がある。原発を推進する経産省への復帰を望む
職員が規制庁へ移籍すると、原発推進の政策を進めようとするのは明らかである。
 自公案の通り、全職員にノーリターン・ルールを適用し、退職後も、原子力推進
関連産業・団体への再就職を制限すべきである。

8.規制委員会をチェックする機関の設置

 政府案では、原子力規制庁をチェックするために原子力安全調査委員会の設置
が含まれている。しかし、自公案では、原子力規制委員会が大きな権限を握り、
ダブルチェックの規定はない。
 委員会答弁においても、自公案の提案者は、ダブルチェックの必要性を否定して
いる。大きな権限を持つ規制委員が原子力産業界の圧力に屈し、原発推進に傾い
た場合、その暴走を食い止める方法はなくなってしまう。
 原子力規制委員会をチェックするための機関の設置は必要不可欠である。

9.有事の指揮権

 原子力緊急事態発生時の指揮権について、民主党と自民・公明党の間で大きな
議論となっている。実際に新たな緊急事態が発生した場合には、混乱を避けるため
には重要な議論ではあるが、その前に原子力緊急事態の発生を防止するべきである。
 地震活動期に入った地震国日本においては、いかなる原発も再処理工場も
大地震による過酷事故の可能性があり、日本での原発の運転は危険である。

                                    以上

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