「電気事業法の一部を改正する法律案」への要望書

 

「電気事業法の一部を改正する法律案」への要望書

2013年5月20日
日本消費者連盟 WWFジャパン

日本ソーラーエネルギー教育協会

FoE Japan eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)

日本環境法律家連盟(JELF)

電力改革プロジェクト

>PDFはこちら  20130520youbou


2013年2月に発表された経産省電力システム改革専門委員会報告を踏まえ、 「電気事業法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、今国会に法案が提出されました。 東日本大震災に続く福島第一原子力発電所の事故により、日本は原子力に 頼らない社会への転換を迫られています。人が住めなくなるような放射能汚 染の危険を伴う原子力発電と決別し、省エネルギーと、再生可能エネルギー (風力、太陽光など)やコジェネレーションなど分散型電源を活用する社会へ と向かう決断と実行が求められています。電力システム改革によって、真に 自由な競争が促進され、安定的かつ安価な電力の供給が実現され、消費者が 主体的にエネルギーを選択できるようになることが求められています。 しかし、同法案に示された改革の実施は遅すぎるため、これを最低限早める 必要があると考えます。専門委員会報告が示した改革の工程表を尊重し、 今国会経済産業委員会で下記の点を審議するよう要望します。

 

1. 電力システム改革専門委員会報告に示された工程表を早急に実施して下さい。今国会に提出された電気事業法改正案において、改革の第二段階(電気小売業の全面自由化)、第三段階(法的分離による送配電部門の中立性の一層の確保と電気の小売料金の全面自由化)を附則(4)①としたこと、特にこれを①2)「2015年法案提出を目指す」と努力目標にとどめたことは著しい後退であり、許されません。遅くとも2017年までに改革を実施するため、同改正案において上記を電事法本則として、2015年に発送電分離の法案提出を行うことを明記ください。

理由:電力システム改革専門委員会報告は、地域独占を廃止し、国民・消費 者の自由な電力・エネルギー選択を可能とする新しいしくみをめざすものです。 送配電部門の中立性確保(発送電分離)は多様な発電事業者と小売事業者が 自由に競争すること、再生可能エネルギーを含む多様な発電所が公平に送配 電部門に接続すること、送配電網の拡充を計画的に進めること等を推進し、 再生可能エネルギーその他の新産業を育成する前提条件になります。法的分離 はその第一歩であり、所有権分離を視野に入れた改革を進めていく必要があります。 発送電分離を早急に実施するために、今回の法的分離の実施時期を明記し、 速やかに法改正することがこの改革の要です。

 

2. 新規発電事業者の参入と公平な競争促進、送配電網の独立性と透明性を確保するために、電事法本則において、新たな規制機関の創設を盛り込むことを求めます。この規制機関は人事・会計等において監督庁や電力事業者から独立した体制とし、情報公開や各種公聴会の義務づけなどにより、国民・消費者の知る権利を守り、その十分な意見表明の機会を設けるべきです。

理由:送電網を所有する一般電気事業者が、不当な理由により新規電気事業者を不公平で差別的な扱いをすることのないよう、監視・指導する機関が必要です。また、新規事業者の参入を事実上阻んできた託送料金の根拠を開示するよう義務付け、適正化に向けた規制の強化と監視を行い、託送料金の根拠を精査し、透明化を徹底することが急務です。さらに、卸電力市場や小売市場の取引など、改革の実施に伴いさまざまな監視を行う必要があります。

 

3. 電事法改正案附則(4)①1)電気小売業の全面自由化(一般家庭で事業者を選択可能にする)を同法本則とし、2016年までの実施を明記するとともに、ピーク時の需要カットやデマンドレスポンス(適切な需要抑制の料金メニュー)の導入を事業者に義務づけることを求めます。

理由:需要増を見込んで原子力発電所を増設してきた従来の方針を180度転換し、今後とくに大口需要家に向けて省エネのインセンティブを高める料金メニューの創設が不可欠です。

 

4. 電事法改正案本則(1)①「広域的運営推進機関」(広域系統運用機関)の創設にあたって、需給逼迫など緊急時の利用だけではなく、平常時の広域運用を前提とすること、新規電源の接続受付は再生可能エネルギー電源の優先的系統接続、優先給電とすることを求めます。

理由:広域系統運用機関は、震災の際、異なるエリア間で電力を融通できなかった反省から、エリアを超えて系統接続し、安定的な電力需給調整を目的とする機関です。しかし発電量が変動する再生可能エネルギーの普及には、広域系統運用と優先給電を徹底させることが不可欠であるため、平常時からの広域運用を明記すべきです。消費者が主体的に電気を選ぶためには、再生可能エネルギー事業者が参入しやすい環境づくりが必要であり、系統情報の公開と優先給電を原則として、中立性を厳密に確保した広域系統運用機関が接続業務を行うべきです。

 

連絡先  特定非営利活動法人 日本消費者連盟

担当:真下(ましも)〒162-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19 アーバンヒルズ早稲田207号

email:mashimot@nishoren.net 電話:03-5155-4765 FAX:03-5155-4767

http://nishoren.net/

 

(参考) 経済産業省 「電力システムに関する改革方針」閣議決定

http://www.meti.go.jp/press/2013/04/20130402001/20130402001.html

 

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  1. 監視・指導する機関が必要です。また、新規事業者の参入を事実上阻んできた託送料金の根拠を開示するよう義務付け、適正化に向けた規制の強化と監視を行い、託送料金の根拠を精査し、透明化を徹底することが急務です。さらに、卸電力市場や小売市場の取引など、改革の実施に伴いさまざまな監視を行う必要があります。

  2. 再生可能エネルギーその他の新産業を育成する前提条件になります。法的分離 はその第一歩であり、所有権分離を視野に入れた改革を進めていく必要があります。 発送電分離を早急に実施するために、今回の法的分離の実施時期を明記し、 速やかに法改正することがこの改革の要です。

  1. 2013年 6月 4日
  2. 2013年 6月 6日
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