【原発ゼロノミクス】 原発の不経済とシステム転換の希望



 3月27日、原発ゼロノミクスキャンペーンhttp://zeronomics.wordpress.com/は、
金子勝氏と飯田哲也氏を迎え、キックオフシンポジウムを開催しました。

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【原発ゼロノミクスキャンペーン】は、

1)2012年夏のエネルギー・環境政策に関する「国民的議論」で示された、
 「原発ゼロ」を願う国民の声を、改めて可視化し、安倍政権に示す 
 6月までに10万人の賛同を!
2)さらに、新たに若い人も巻き込んでいくため、原発の不経済性や原発依存
 の体制を抜本的に見直し、地域分散型のエネルギーシステムに移行すること
 のメリットをわかりやすく提示する
ことを目指してスタートしました。

1点目の「脱原発を目指す国民の声」について、
2012年夏のパブリックコメントでは、89000件以上が集まり、うち87%が原発
ゼロを選びました。また、首相官邸前の抗議の声や、討論型世論調査で討論後
に原発ゼロを選ぶ人が増えたことなども含め、「国民の過半が脱原発を望む」
とまとめられました。
大々的な国民的議論を経て得られたこの結果は、政権交代があったとしても、
簡単に無視されてよいはずはありません。


2点目のわかりやすい発信について、
「国民的議論」への参加は、20代以下、30代が比較的少なかったことや、衆議
院選挙では脱原発が大きな争点にならなかったこと、「原発はやめたいけれ
ど、すぐには難しいのでは」「現地の雇用はどうなるのか、経済に打撃」と考
える人も多くいること、などから、原発の不経済性と脱原発に舵を切ることの
効果をもっと伝えていく必要がある、と共有されたことが背景です。
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3月27日の「原発ゼロノミクス」キックオフシンポジウムでは、金子勝さん、
飯田哲也さんから講演いただきました。

金子勝さんは、原発は大きな不良債権であり、今廃炉にするとしたら莫大な負
債となって電力会社は倒産してしまう、だから電力会社は何が何でも動かした
い、と言います。

現在の地域独占がくずれたとたんに、新しい会社が参入して既存の電力会社は
立ち往かなくなる。

そういう厳しい現状をカモフラージュするのがアベノミクスであるとも。
原発は国有化して、事故処理と賠償費用も含めてエネルギー予算を投入しなけ
ればならないと。

飯田哲也さんは、原発を「負けることをみな分かっていながら進んだ戦艦大
和」にたとえ、日本はすでに世界から取り残されつつある、原発を支える構造
を変えなければといいます。
今起こっているエネルギーシフトには3つの特徴がある。予想をはるかに上回
る勢いで再生可能エネルギーの市場が成長していること、第4の革命と言える
ほどの産業構造の転換が起きていること、そしてミクロなイノベーションが世
界各地で起こっていること。
日本でも、各地で地域の電力会社をつくる取り組みが立ち上がっており、コミ
ュニティ・パワーのネットワークも企画されていること。

150人以上が参加し、莫大な不経済である原発を脱して、分散型のエネルギ
ーシステムに移行することへの希望を共有しました。

原発ゼロノミクスキャンペーンでは、今後もこうしたシンポジウムのほか、
各地での「原発ゼロノミクス・カフェ」開催やアピールを通じて、賛同を集め
ていきます。
ゆるキャラ「ゼロノミクマくん」も、各地に出張したり、様々な活動とつなが
っていきます。
ぜひ、あなたの「原発ゼロノミクス宣言」とアイディアをおまちいています。
★6月までに10万人の賛同!ウェブサイトからクリック!&シェアお願いします。
http://zeronomics.wordpress.com/
★ゼロノミクマのキャンペーン日記はこちら。かわいい写真つき。
http://zeronomics.seesaa.net/

 
 

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●●原発ゼロノミクス宣言●● >PDF zeronomics_sengen
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2012年。
日本は、福島第一原発の未曾有の事故の反省の上に立ち、原発ゼロへの道筋を
示しました。
政治を動かしたのは、圧倒的多数の市民の、脱原発への意思表示です。

その道筋が、政権交代後の経済政策「アベノミクス」の影でゆらいでいます。
住んでいた土地を奪われ、耐えきれない不安を抱えながら日々を過ごす福島の
人々、脱原発を願う多くの人々の声が、かき消されようとしています。

このまま原発依存へ逆戻りすることが、果たしてよいことなのでしょうか。

世界中の多くの国や企業が、事故後、原発からの撤退を決めました。
原発の不採算性が明らかで、経済的にもプラスにならないとわかったからで
す。
そして原発と化石燃料から、イノベーションが進み価格も安くなった自然エネ
ルギーに、猛スピードでシフトしています。

本来なら、事故がなかったとしても、日本がいちはやく取り組むべきこと。
今後人口の減少にあわせてエネルギー消費も減っていく日本に、
大量生産・大量消費を前提にしてウランや化石燃料の輸入に24兆円も支払う
エネルギー政策は、もうふさわしくありません。

「原発ゼロノミクス」は、原発依存、エネルギー輸入にたよる古い経済のしく
みを見直し、自然エネルギーをコアにした地域分散ネットワーク型経済への移
行を考えていきます。

キーワードは、「省エネ」「創エネ」、そして「ITネットワーク」。
これまで、原発や化石燃料のエネルギーを使うことで地域の外に流出していた
お金を自然エネルギーの地産地消によって地域内にとどめ、多彩な関連産業と
雇用を創出。

地域経済を元気にすることで、脱温暖化しながら日本経済全体の再生をめざす
経済システム提案です。

主役は、国でも大企業でもありません。

そこに住み、そこで生き、原発ゼロを求める私たち一人ひとりがプレイヤーに
なって、新しい経済を作っていきましょう。

あなたの原発ゼロノミクス宣言をお待ちしています。